ここで多くの人が疑問を抱くのが、「サラリーキャップ制度(年俸総額制限)が厳しいアメリカのMLSで、なぜそれほどの巨額報酬が払えるのか」という点です。
MLS選手会(MLSPA)が公表した公式データによると、インテル・マイアミにおけるメッシの「基本給」は約1,200万ドル(約18億6,000万円)、追加のボーナスを含めた「年間保証報酬」は約2,044万ドル(約31億6,800万円)となっています。これだけでもMLS史上最高額ですが、200億円超という総収入との間には大きな開きがあります。
その秘密は、スポーツビジネス界の常識を塗り替えた「三位一体のレベニューシェア契約」に隠されています。
インテル・マイアミの共同オーナーであるホルヘ・マス氏は、海外経済メディアのインタビューで「メッシのクラブ関連の総受取額は年間5,000万ドルから6,000万ドル(約77億5,000万〜93億円)にのぼる」と明言しています。基本保証額の3倍以上に跳ね上がる内訳は次の通りです。
- Apple TV『MLS Season Pass』売上分配:MLSの全世界放映権を一括取得したAppleが、新規加入者増加数に応じたインセンティブをメッシに直接還元。
- アディダス(adidas)の利益分配:メッシの移籍によって急増したインテル・マイアミ関連グッズやスニーカーの売上増から直接パーセンテージを受け取る。
- 球団株式の取得権(エクイティ):現役引退後、インテル・マイアミの所有持分を一定割合、格安で取得できる権利が契約書に明記されている。
給与枠の制約をバイパスし、リーグ全体の商業的成長をメッシ個人に還元するエコシステムが構築されているからこそ、これほどの天文学的報酬が現実のものとなっています。