ドラえもんの可愛さは、静止画としての造形美だけにとどまりません。アニメーションやコミックスで見せる豊かな挙動と仕草こそが、ファンの心を掴んで離さない原動力です。
ファンの間でとりわけ熱い支持を集めているのが、ドラえもんの丸い手(ペタリハンド)の愛らしさです。指がない吸着盤のような球体の手で、一生懸命に秘密道具を取り出したり、鉛筆を握ったりする姿は健気そのもの。公式設定でも定番となっている「じゃんけんをすると必ずグーしか出せない」という愛すべき弱点は、完璧な未来ロボットという設定とのギャップを生み出し、見る者の庇護欲を強烈に刺激します。
また、感情がダイレクトに表れる表情一覧のバリエーションも大きな見どころです。のび太に頼られて得意げに鼻を高くする誇らしげな笑顔、ネズミに遭遇して白目を剥き絶叫するパニック顔、いたずらを企むニヤリ顔、叱られてショボショボと涙を流す泣き顔など、喜怒哀楽の振れ幅は人間以上に豊かです。
なかでもドラえもんがどら焼きを食べる姿は、作中屈指の癒やしシーンとして定評があります。両手で大事そうにどら焼きを持ち、口いっぱいに頬張って目を細める至福の表情は、見ている側の脳内にオキシトシン(幸福ホルモン)を分泌させるほどの圧倒的な幸福感に満ちています。こうした日常の何気ないコマや動きの一つひとつが、視聴者にとって極上のメンタルケアとして機能しています。