群像新人文学賞および芥川賞を受賞し、講談社から刊行された衝撃のデビュー作『限りなく透明に近いブルー』は、日本文学の常識を塗り替えた。それに続く『コインロッカー・ベイビーズ』など、圧倒的なエネルギーで時代を描き出してきた足跡は色褪せない。
若き日に見せた圧倒的な疾走感から、年齢と病を経た現在の境地へ。体調の変化に伴い、以前のように長編を一気に書き上げるスタイルから、ゆっくりと言葉を推敲する静かな執筆スタイルへと移行している。
肉体的な衰えが、むしろ作品の深みや静謐な叙情性を生み出す可能性に、多くの文学ファンが期待を寄せる。現代文学における彼の存在感は、今なお色濃く残り続けているのだ。