上海の朝ごはんを語る上で、真っ先に名前が挙がるのが「四大金剛(スーダージンガン)」と呼ばれる4つの伝統料理です。仏教の四天王に例えられるほど地元民に敬愛されており、上海の庶民文化を象徴する定番中の定番として親しまれています。
第1の柱である「大餅(ダービン)」は、タンドールのような特製窯の内側に貼り付けて香ばしく焼き上げる平焼きパンです。塩味(ネギ入り)と甘味(白砂糖や餡入り)の2種類があり、外側はサクサク、内側はもっちりとした層状の生地が特徴です。
第2の「油条(ヨウティエン)」は、細長い棒状の揚げパン。外はカリッと軽く、中は空洞を含んでふんわりとしており、これ単体で食べるだけでなく、他の料理と組み合わせて真価を発揮します。
第3の「豆漿(ドウジャン)」は、毎朝絞りたてが提供される新鮮な豆乳です。ほんのり甘い「甜豆漿」と、醤油や黒酢、干しエビ、ザーサイ、刻みネギを加え、おぼろ豆腐のようにゆるく固まらせた塩味の「鹹豆漿(シエンドウジャン)」が存在します。特に鹹豆漿にちぎった油条を浸して食べるスタイルは、日本人の朝の胃袋にも染み渡る滋味深い味わいです。
そして第4の「粢飯(ツーファン / 粢飯団)」は、蒸したてのもち米で具材をぎゅっと包み込んだ伝統のおにぎりです。朝市の屋台で職人が布巾を使って素早く巻き上げる様子は、まさに粢飯団朝市グルメのハイライト。中には揚げたての油条や肉松(豚肉の甘辛い田麩)、高菜漬け、塩卵の黄身などがぎっしり詰まっており、ずっしりとした重量感と豊かな食感のコントラストが楽しめます。