スポーツエリアの熱気から運河を渡ると、空気がふっと冷涼に変わる。「なぎさの森」だ。樹木が鬱蒼と生い茂る遊歩道を進むと、干潟や樹林地が広がり、ここが品川区内であることを完全に忘れさせる。
干潮時にはカニやハゼが干潟を賑わせ、運が良ければ青く輝くカワセミの姿を捉えることができる。大都市の沿岸部に残された貴重な自然観察池には、巨大な望遠レンズを構えたバードウォッチャーたちが静かに息を潜める。干潟保全の取り組みと市民の憩いの場が絶妙なバランスで共存している点は、都市生態学の観点からも高く評価されている。