メンバーの脱退は、画面の向こう側のファンコミュニティにどれほどの衝撃と爪痕を残したのでしょうか。SNS(旧Twitter)、YouTubeのコメント欄、Yahoo!知恵袋などの過去数年間にわたる投稿データを分析すると、ファンの感情は時代とともに大きく3つのフェーズに分かれて推移していることが確認できます。
まず、2015年のダイブー脱退時におけるファンの生の声です。当時はYouTuberという職業が黎明期であり、「友達同士のサークルなのに、ファンと付き合っただけで追い出すのは冷酷すぎるのではないか」「シルクの独裁ではないか」という、リーダー批判や困惑の声が3割近くを占めました。しかし、動画内で公表された「虚偽の報告を繰り返していた」という具体的事実が浸透するにつれ、擁護論は次第に沈静化していきました。
対照的だったのが、2020年のぺけたんの女性問題発覚時です。ファンの間では「裏切られた」「長年応援してきた音楽活動を汚された」という強い憤りと悲痛の叫びが圧倒的多数を占めました。特にフィッシャーズはファミリー層や小中学生の支持が厚かったため、保護者層からのクレームやチャンネル登録解除が相次ぎました。知恵袋等に寄せられた「子どもに見せてよいのか悩む」という保護者の生々しい投稿は、当時の危機の深刻さを如実に物語っています。
そして2022年の完全脱退発表以降、現場のコミュニティには「厳しい処分を下したからこそ、今の健全なフィッシャーズがある」「なあなあで済ませずに区切りをつけたシルクの覚悟を支持する」という再評価の機運が定着しました。痛みを可視化し、公式発表で逃げずに説明した姿勢が、結果としてファン離れを最小限に食い止める防波堤となったのです。