単なるネット上の冗談話にとどまらず、自動車のハイテク技術を巻き込んだ実害(?)として表面化したのが、先進運転支援システム(ADAS)による誤認識トラブルです。ホンダの安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダセンシング)」を搭載した車両において、天下一品の店舗看板の前を通過する際、メーター内のマルチインフォメーションディスプレイに突如「車両進入禁止」のアイコンがポップアップ表示される現象が複数報告されました。
この事象は自動車情報メディアやテクノロジー系ニュースでも取り上げられ、SNS上では瞬く間に拡散。「車が『こってりラーメンを食いに行くな』と警告してきた」「天一の誘惑にブレーキをかけるホンダの優しさ」といったウィットに富んだ投稿が相次ぎ、ネットミームとしての定着を見せました。さらに大手コンビニエンスストア・ローソンが天下一品監修のチルドラーメンやコラボ商品を展開した際にも、売場に並ぶパッケージを見た来店客や配送ドライバーから「棚一面が進入禁止になっている」と投稿され、再び注目が集まる事態となりました。
車載カメラの画像認識アルゴリズムは、走行中の膨大な映像ストリームから「赤色の円形」と「水平方向のエッジ(明暗境界線)」をミリ秒単位で抽出します。遠距離かつ低解像度で捉えられた看板画像は、ノイズ除去処理の過程で白線の端部が曖昧になり、標識認識エンジンが「車両進入禁止(標識番号303)」のパターンと合致率が高いと判定してしまうのです。人命に関わる誤作動ではないものの、エッジAIの学習データと実社会の記号が交錯する象徴的な珍事と言えます。