地元に定着し、幾多の人材を輩出してきた逗葉高校がなぜ単独校としての幕を下ろさねばならなかったのか。その根底には、神奈川県が直面した深刻な人口動態の激変があります。
神奈川県教育委員会は、急速に進む中学校卒業者数の減少に対応するため、「神奈川県立高校改革推進プラン」を策定しました。とくに横須賀・三浦・逗子エリアは、首都圏のなかでも少子高齢化が際立って加速した地域です。最盛期には県下全域で溢れていた受験生の数が大幅に目減りし、公立高校の適正規模(各学年6〜8学級)を維持することが困難になっていきました。
教育庁の公表データによると、小規模校化が進むと選択科目の開設数が減少し、部活動の単独チーム編成が難しくなるなど、生徒の教育機会に格差が生じるリスクが指摘されていました。逗葉高校(当時1学年6学級規模)と逗子高校(同6学級規模)を統合し、1学年7〜8学級規模の活力ある拠点を再構築することは、教育の質を維持するための不可避な行政判断だったと言えます。