船村氏が音楽史に刻んだ足跡は、日本の大衆音楽そのものの発展史です。生涯で手がけた楽曲は5,000曲以上にのぼり、戦後から平成に至る演歌・歌謡曲の黄金期を支え続けました。
村田英雄氏が歌い大ヒットを記録した「王将」をはじめ、ちあきなおみ氏や細川たかし氏によるカバーで日本レコード大賞を受賞した「矢切の渡し」、春日八郎氏の「別れの一本杉」、美空ひばり氏の魂の叫びとも評される「みだれ髪」など、枚挙にいとまがありません。哀愁と力強さが同居する旋律は「船村メロディー」と称され、古賀政男氏に次ぐ大衆作曲家史上2人目の文化勲章受章という最高の栄誉に結実しました。