桑野信義の原点は、1980年に「シャネルズ」としてデビューし、後にラッツ&スターとして一世を風靡した伝説的音楽グループにあります。鈴木雅之らとともに生み出した数々のミリオンヒットにおいて、桑野が奏でる華やかで力強いトランペットの音色は、グループの象徴的なサウンドでした。
抗がん剤治療による後遺症で指先や口元のしびれが残る中、桑野は決して楽器を手放しませんでした。感覚が戻らない指でピストンを押し、血のにじむような練習を重ねてステージ復帰を実現。復帰ライブで彼がトランペットを吹き鳴らした瞬間、客席からは割れんばかりの拍手と涙が溢れました。技術や理屈を超えた「魂の音色」は、今もなお聴く者の心を揺さぶり続けています。