『仮面ライダーフォーゼ』が今なおファンから愛されている最大の要因は、如月弦太朗という唯一無二のキャラクター造形と、相棒・仮面ライダーメテオこと朔田流星を演じた吉沢亮との濃密な関係性にあります。
弦太朗の代名詞といえば、天を指差しながら雄叫びをあげる「宇宙キターッ!」という名セリフです。宇宙と学園という一見突飛なテーマを、福士蒼汰は全身全霊のポジティブさで納得させました。変身時のアクションも秀逸でした。フォーゼドライバーの4つのスイッチをリズミカルに押し込み、「変身!」の掛け声とともに両腕を大きく突き上げるダイナミックなポーズは、全国の子どもたちが熱狂的に真似をしました。
そして、作品の中盤から登場し、弦太朗の「最大のライバルにして無二の相棒」となったのが、吉沢亮演じる朔田流星でした。人懐っこく誰に対しても心を開く弦太朗と、目的のために周囲を欺き冷徹に振る舞う流星。対照的な二人の衝突と友情の芽生えは、本作のドラマツルギーを大きく深化させました。
現場での二人は、役柄同様に特別な絆で結ばれていました。当時まだ10代だった二人は、撮影が終わると連日のように一緒に食事へ行き、銭湯に通い詰めては演技論を交わしていたといいます。吉沢亮は後のインタビューで「蒼汰が主演として現場の空気を作り、スタッフ全員を引っ張ってくれたからこそ、自分は自由にトゲのある芝居ができた。あの現場で蒼汰の背中を見ていなければ、今の自分はない」と明かしています。現在、日本映画界のトップランナーとなった二人が、同じ特撮の現場で青春のすべてを賭けて激突していたという事実は、日本の映像史においても極めて美しい軌跡です。