製品選びにおいて最も頭を悩ませるのが、「空気式(エアータイプ)」と「低反発・ウレタン・ビーズ式(クッションタイプ)」の二者択一です。それぞれ睡眠環境と持ち運びの優先度によって評価が真っ向から分かれます。
空気式コンパクトタイプの最大の利点は、使わないときに空気を抜いて付属のポーチに手のひらサイズで収納できる携帯性にあります。重量もわずか100g強と荷物の邪魔になりません。さらに、最近のトレンドとして口で息を吹き込むのではなく、内蔵されたポンプを指でリズミカルにプッシュするだけで膨らむモデルが主流となっており、衛生面での懸念も解消されています。ただし、空気の反発力は硬質になりがちで、後頭部が跳ね返されるような違和感を覚える場合がある点が構造的な制約です。
対する低反発クッション・マイクロビーズタイプは、自宅の枕に近い圧倒的な寝心地を提供します。首のカーブに沿ってじんわりと沈み込み、走行中の振動や頭部のグラつきを吸収してくれるため、6時間を超えるような夜行バス移動や長距離国際線フライトでの睡眠の深さは空気式を大きく凌駕します。デメリットは言うまでもなく嵩張る点ですが、専用の圧縮ベルトで丸めて体積を半分に抑えられるモデルも登場しており、快適性を最優先するトラベラーからは依然として根強い支持を誇ります。
新幹線や日中の特急列車など「荷物を最小限にして手軽に使いたい」場合は空気式、夜行バスや海外渡航など「一晩しっかり眠って翌朝の体調を整えたい」場合は低反発またはビーズクッションを選ぶのが、失敗を避ける明確な判断基準です。