白い筋を残すことに対して、インターネット上では一部の根強い懸念や誤情報が存在します。現場の取材と公的データに基づき、真偽を検証します。
誤解1:白い筋には残留農薬が溜まりやすいのか?
「白い筋は水分を吸い上げる管だから、農薬などの有害成分が濃縮されているのではないか」という不安の声が散見されます。しかし、これは科学的に否定されます。
日本国内で栽培される温州みかんは、食品衛生法に基づき極めて厳格な残留農薬基準が設定されています。農薬の多くは外皮(フラベド)で遮断され、内側のアルベドや果肉に移行する量は検出限界未満、または健康に影響を与えない基準値の数百分の一以下に管理されています。通常の水洗いを行い、一般的な流通品を食べる限り、白い筋の残留農薬を懸念する必要は皆無です。
誤解2:消化が悪くて胃腸を壊す原因になるのか?
アルベドに含まれるペクチンは食物繊維であるため、確かに人間の消化酵素では分解されません。しかし、適量であれば胃腸の蠕動運動を促し、善玉菌のエサとなって腸内環境を改善するプラスの働きをします。
「筋を食べると胃が痛くなる」と感じるケースの多くは、よく噛まずに早食いしているか、一度に5個も10個もみかんを過剰摂取した結果、不溶性食物繊維と水分が胃腸に物理的負担をかけたことによるものです。通常の摂取量(1日1〜3個程度)をしっかり咀嚼して食べる限り、健康な消化器に悪影響を及ぼすことはありません。