子どもの走力を客観的に測る第一歩は、国が算出する全国統計データと照らし合わせることです。スポーツ庁が毎年実施している「体力・運動能力調査」および各教育委員会が公表する測定値をもとに、小学1年生から6年生までの男女別平均値、上位集団(リレー選抜の目安)、新体力テストの配点基準を整理しました。
このデータから読み解くべき重要な事実は、低学年から高学年にかけて毎年約0.4〜0.5秒ずつ平均タイムが短縮していく点です。成長期に伴う骨格の伸長や筋肉量の増加がタイムを押し上げる主因ですが、リレー選手に抜擢される上位層(各クラスの上位10〜15%)との間には、どの学年においても約0.7〜0.8秒の開きが存在します。
短距離走における50メートルという距離は、大人の100メートル走と異なり、トップスピードを維持する区間よりも「加速区間」の占める割合が極めて高い特徴を持ちます。つまり、最初の20メートルでいかに無駄なくスピードに乗れるかが、平均群と上位群を分かつ最大の分岐点です。