シカゴ・トリビューン紙によって暴露された手書きメモには、小麦粉2カップ(アメリカ規格で約250〜280g)に対するスパイスの分量が正確に記載されていました。長年の謎を解き明かしたとされるその内訳は、以下の通りです。
【流出したとされる11種類のハーブ&スパイス配合比率】
1. 塩:大さじ2/3
2. タイム:小さじ1/2
3. バジル:小さじ1/2
4. オレガノ:小さじ1/3
5. セロリソルト:小さじ1
6. 黒コショウ:小さじ1
7. 白コショウ:小さじ3(大さじ1)
8. ドライマスタード(粉末):小さじ1
9. パプリカ:小さじ2
10. ガーリックソルト:小さじ2
11. ジンジャーパウダー:小さじ1
調合リストを見た料理専門家やスパイス愛好家たちが最も注目したのは、白コショウ(ホワイトペッパー)の圧倒的な配合量でした。黒コショウが小さじ1であるのに対し、白コショウはその3倍にあたる大さじ1(小さじ3)も投入されているのです。
白コショウは、完熟したコショウの実から果皮を取り除いて乾燥させたもので、黒コショウのような野性的な刺激臭よりも、上品でシャープな辛味と特有の土っぽい芳香を持ちます。カーネル・サンダースがレシピを開発した1930〜1940年代当時のアメリカ南部では、白コショウは家庭料理で頻繁に使われる調味料ではありませんでした。甥のレディントン氏も「当時は誰も白コショウの使い道を知らなかった。だからこそ誰もあの味を真似できなかったんだ」と振り返っています。
さらに、シカゴ・トリビューンのフードテストキッチンチームが実際にこの配合でチキンを揚げた際、当初は「何かが決定的に足りない」という壁にぶつかりました。そこで、当時の加工食品や南部のダイナーで常用されていたグルタミン酸ナトリウム(MSG/うま味調味料)を少量加えたところ、同席したテスター全員が「店舗で買ってきたKFCオリジナルチキンと一切見分けがつかない」と唸る完全な味わいに仕上がったと報告されています。