釣り人のコミュニティやSNS上で定期的に浮上するのが、「他県の防波堤のように有料の釣り公園として整備され、鹿島港南防波堤 開放予定が進んでいるのではないか」という観測気球です。新潟東港や秋田港などで防波堤の有料開放(NPO法人等による管理運営)が成功している事例を引き合いに出し、鹿島でも同様の動きを期待する声が根強く存在します。
しかし、港湾管理者である茨城県土木部港湾課および鹿島港湾事務所の公表資料・方針を取材する限り、南防波堤の一般開放計画は過去にも現在も一切存在せず、将来的にも実現の可能性はありません。行政が開放を完全に否定する理由は主に3点あります。
第1に、外洋からの波圧が強烈すぎて常設の安全柵(手すり等)を設置しても波浪で容易に破壊されてしまうこと。第2に、避難誘導路の確保にかかる改修費用が数百億円規模に達し、費用対効果が見合わないこと。そして第3に、万が一の落水時に救助船が接岸できない「救助不能エリア」であることです。海釣り施設として認可を受けるための国土交通省の安全基準を満たすことは工学的・財政的に不可能であり、開放の噂は愛好家の希望的観測が歪曲されて広まったものに過ぎません。