静岡県内の杏林堂に足を運ぶと、食品スーパー顔負けの生鮮品売り場とともに、異様な熱気を放つ冷凍食品コーナーが目に飛び込んできます。その中心に鎮座するのが、プライベートブランド(PB)として開発された冷凍生餃子です。
この異例のヒットを支えているのが、静岡ドラッグストアにおける餃子の人気理由そのものです。杏林堂は「地域の健康と食生活を支える」という独自のドミナント戦略を掲げ、単なるNB(ナショナルブランド)商品の安売りではなく、地元食材を活かした高品質な食品開発に注力してきました。浜松餃子というご当地グルメ文化が根付く地域において、市民の舌は極めて肥えています。並大抵の味ではリピートされない環境下で、同社は皮の厚さ、餡の挽き肉とキャベツの比率、調味料の配合比率に至るまで試作を重ね、名店の味を家庭のフライパンで完全再現できる設計を突き詰めました。
実際に購入者のカゴを見ると、日用品や風邪薬と一緒に30個入り・60個入りの大袋が複数入っている光景は日常茶飯事です。地域密着型ドラッグストアの利便性と、専門店クオリティの味が見事に融合した結果、静岡を代表するソウルフードへと昇華しました。