ネット上のバッシングを観察する上で見落としてはならないのが、「偶像に対する過度な神聖化とその反動」という心理的罠です。世間は彼女に対して勝手な理想を押し付け、そこからわずかでも外れると一転して叩き始めるという構図を繰り返してきました。
最大の誤解は、「彼女は常にチヤホヤされて苦労を知らずに育った」という偏見です。実際には、福岡のローカルグループ時代から厳しいレッスンと下積みを経験し、突然ブレイクした後は「1000年に1人」という重すぎる看板を背負い続けてきました。プライベートを徹底的に制限され、一挙手一投足が全国民に監視される生活を十数年間継続することの精神的負荷は計り知れません。
また、文春報道にあった「日傘トラブル」などのエピソードも、ネット上で誇張され、尾ひれがついて拡散した部分が否めません。炎天下での撮影において、女優のメイクや肌の状態を保つことは作品のクオリティに直結するプロとしての重要事項です。現場での切迫したやり取りの一部分だけを切り取られ、「わがままで傲慢な女王様」という分かりやすい悪者像に仕立て上げられた側面は強く意識されるべきです。世間が消費しているのは、生身の橋本環奈ではなく、メディアとネットが作り上げた「歪んだ虚像」に他なりません。