光の物語を語る上で欠かせないのが、三葉惣助(ミツバ)との痛切な関係と、八代寧々に対するひたむきな想いです。
1. 親友・ミツバとの別れと「偽物」への誓い
中学時代の同級生であり、事故で命を落として怪異となったミツバと光は、写真を通じてかけがえのない友情を育みました。しかし、ミツバは七不思議の四番・シジマメイの世界や、つかさの介入によって歪められ、一度は消滅の悲劇に見舞われます。その後、他の怪異の心臓を喰わされて「七不思議の三番(カガミジゴク)」を継承した現在のミツバは、生前の記憶を完全に持たない、いわば「作られた存在」です。
周囲が彼を「偽物」と呼ぶなかで、光だけは「今のミツバ」と向き合い、彼を人間として救う方法を探し続けています。「お前を本物の人間に戻してやる」という光の誓いは、過酷な運命に抗う本作随一の胸を打つドラマを生み出しています。
2. 八代寧々への恋心と「寿命宣告」の重圧
光は先輩である八代寧々に淡い恋心を抱いています。大根足とからかわれがちな寧々を心から「可愛い先輩」として慕い、花子くんに惹かれる彼女の恋路を見守る切ないポジションに身を置いてきました。
しかし、物語が進むにつれて「寧々の寿命が残り1年にも満たない」という残酷な真実を知ることになります。尊敬する兄・輝が寿命の改変を諦め、花子くんが自身の消滅と引き換えに寧々を生かそうと画策するなか、光は「誰も犠牲にせず、寧々の未来を切り拓く道」を泥臭く追い求めています。