「かわいいから」「一度きりの写真撮影だから」という大人の都合で衣装を選んでしまうと、赤ちゃんの健康や生命を危険にさらす重大なリスクにつながります。特に注意すべきは、乳幼児の皮膚生理と体温調節機能の脆弱性です。
赤ちゃんの皮膚の厚さは大人の約半分しかなく、バリア機能が未熟なため、化学繊維の摩擦や粗雑な縫製によるタグの擦れだけで接触皮膚炎(かぶれ)を引き起こします。さらに、乳児は発汗機能が未発達でありながら新陳代謝が活発なため、ボア素材などの通気性が著しく低い着ぐるみを密閉した室内で着用させ続けると、体温が急激に上昇し「うつ熱(乳児熱中症)」を誘発する恐れがあります。
また、激安の海外製ノーブランド品が流通する現状において、厚生労働省が定める「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」の基準をクリアしているかの確認は不可欠です。生後24ヶ月以内の乳幼児向け繊維製品には、厳格なホルムアルデヒド「吸光度差0.05以下(実質的な検出限界以下)」という基準が課せられています。安価な海外輸入品の中には、ホルマリン移染の対策がなされていない包装袋で届くケースも散見されるため、着用前には必ず単独での「水通し(洗濯)」を行うことが安全対策の絶対条件です。
装飾パーツの誤飲事故にも最大の警戒を払わなければなりません。おもしろ衣装によく見られるプラスチック製の目玉パーツ、フェルトのボタン、蝶ネクタイなどは、赤ちゃんが手を伸ばして引きちぎり、口に入れてしまう危険性があります。生後6ヶ月以降の赤ちゃんは掴んだものを反射的に口へ運ぶ発達段階にあるため、装飾が糸で頑丈に縫い付けられているか、あるいはプリント仕様になっているものを選ぶのが賢明です。