令和への代替わりは、近代日本の皇室史上きわめて特別なプロセスを経て実現しました。その起点となったのは、2016年8月に上皇さま(当時の天皇陛下)が国民に向けて発表された「象徴としてのお務めについてのビデオメッセージ」でした。ご高齢に伴う体力低下を率直に明かされ、象徴としての責任を全うすることの難しさを滲ませた発言は、日本社会に大きな衝撃を与えました。
日本国憲法第4条は天皇の政治的権能を禁じているため、上皇さまは直接的に「退位」という言葉を使わずに心情を吐露されました。これを受けた国会は集中的な議論を重ね、2017年6月に一代限りの特例措置として「天皇の退位等に関する皇室典範特例法」を可決・成立させました。こうして2019年4月30日に上皇さまが退位され、翌5月1日に徳仁陛下が第126代天皇として即位されたのです。
即位後に行われた「即位後朝見の儀」において、陛下は次のようなおことばを述べられました。
「上皇陛下のこれまでの歩みに深く思いを致し、歴代の天皇の行為に思いを寄せ、研鑽を積み、常に国民を思い、国民に寄り添いながら、憲法に則り、日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめを果たすことを誓います」
同年に執り行われた「即位礼正殿の儀」や、国内外の賓客を招いた祝宴、そしてオープンカーによる祝賀御列の儀(パレード)では、沿道に約11万9000人もの人々が詰めかけ、令和の時代の幕開けを祝福しました。