皮膚常在菌の皮をかぶった破壊者!致死的心内膜炎を招く強毒性の謎

皮膚常在菌の皮をかぶった破壊者!致死的心内膜炎を招く強毒性の謎

皮膚常在菌の皮をかぶった破壊者!致死的心内膜炎を招く強毒性の謎の基本情報から最新動向までをわかりやすく整理しました。

病原体として猛威を振るう一方で、この細菌は人類に新たな武器をもたらす可能性も秘めている。ドイツのテュービンゲン大学を中心とするラグダニン抗菌ペプチド研究プロジェクトは、鼻腔内に常在する本菌が、強力なライバルであるMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)の定着を排除している現象に着目した。

同プロジェクトの研究チームは、本菌が自ら生産する環状ペプチド抗生物質「ラグダニン(Lugdunin)」を発見した。ラグダニンは既存の耐性菌に対しても優れた抗菌活性を示し、耐性菌がさらに新たな耐性を獲得しにくいという画期的な特徴を持つ。人を殺しかねない危険な病原菌が、同時に多剤耐性菌の脅威から人類を救う新薬の鍵を握っているという事実は、自然界の複雑な皮肉と言えるだろう。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。