大谷翔平に対する海外の熱狂は、太平洋を渡った東アジア近隣諸国においても極めて特異な発展を遂げています。長年にわたり国際舞台で激しいライバル関係を築いてきた韓国、そして古くから日本野球への関心が高い台湾の論調には、アメリカとはまた一味違った文化的な文脈が見え隠れします。
韓国コミュニティの反応:ライバル心を融解させた絶対的品格
韓国の大手ネットコミュニティ『MLBPARK』や『DC Inside』において、大谷に関するスレッドは常にランキング上位を占めています。かつての韓日戦における激しいナショナリズムの衝突を知る世代からすれば、現在の韓国における大谷フィーバーは信じがたい光景かもしれません。
韓国のファンが驚嘆しているのは、グラウンド上の成績だけではありません。「ゴミを拾うのは他人が落とした運を拾うため」という高校時代からの人生訓や、審判や相手選手に対する常に礼儀正しい立ち振る舞い、一切の醜聞を寄せ付けないストイックな私生活に対して、「欠点を探すほうが難しい完璧な人間性」として賞賛が送られています。ソウルで開催されたMLB開幕戦以降、韓国メディアはこぞって「大谷シンドローム」を特集し、「敵国のアスリートであっても、これほどの器の人物を愛さずにはいられない」とする社説が大手紙に掲載されるなど、国民的な好感度を獲得しています。
台湾メディアの報道姿勢:連日のトップニュースと「アジアの光」
一方、台湾における熱狂はさらに直接的です。『自由時報』や『聯合報』などの主要メディアは、ドジャースの試合結果を毎日のように一面近くで扱い、大谷の一打を「亞洲之光(アジアの光)」と称賛し続けています。台湾出身のレジェンド王貞治氏への尊敬の系譜も手伝い、大谷が本塁打を放つたびに現地のニュース専門局はテロップ速報を打ちます。身体能力の面で欧米選手に劣るとされてきたアジア人の固定観念を、世界最高の舞台で完膚なきまでに打ち砕いたヒーローとして、もはや社会現象と呼ぶべき支持基盤が形成されています。