日本の刑法における性犯罪規定は、長年にわたり明治期制定当時の枠組みを基本としていましたが、近年の社会規範や国際的な人権意識の変化を受けて根本的な見直しが行われました。2017年の法改正では、被害者の性別要件が撤廃されて男性も被害対象に含まれるようになり、罪名が「強制性交等罪」へ変更されたほか、法定刑の下限が引き上げられました。
さらに2023年の改正法(2023年7月施行)では、処罰要件である「暴行・脅迫」の立証ハードルをめぐる議論を踏まえ、罪名が「不同同意性交等罪」へと改められました。暴行・脅迫のみならず、アルコールや薬物の影響、精神障害、経済的・社会的地位に基づく影響力など、同意しない意思を形成・表明・全うすることが困難な8つの類型が法律上に明記され、実態に即した保護と処罰が図られています。