ジョジョの家系図において最も特異かつ読者の好奇心を刺激するのが、第5部主人公ジョルノ・ジョバァーナをはじめとする「DIOの息子たち」の血統です。宿敵ディオとジョースター家の血がなぜ混ざり合っているのか、その背景には第1部ラストの衝撃的な事件が存在します。
客船の爆発で首だけとなったディオは、死亡したジョナサンの肉体を奪い取って海底へ沈みました。100年後の1980年代に復活したDIOは、ジョナサンの肉体を使って世界各地の女性との間に子供をもうけています。つまり、彼らは戸籍や意識の上ではDIOの息子でありながら、遺伝学・生物学的にはジョナサン・ジョースターの実子という二面性を持っています。
この特異な出生により、ジョルノの首筋にはジョースター一族の証である「星のアザ」がくっきりと刻まれていました。ジョルノは父DIOの冷徹な判断力や凄みを受け継ぎつつも、根底にはジョナサン譲りの高潔な正義感(黄金の精神)を宿しています。一方、第6部に登場したドナテロ・ヴェルサス、リキエル、ウンガロの3人も同じくDIOの息子たちであり、プッチ神父の「引力」に引き寄せられて徐倫たちの前に立ちはだかりました。同じ血を引きながら、育った環境と心の持ちようによって全く異なる運命を辿った対比は、本作のテーマを際立たせる白眉の描写です。