三木谷浩史という人間を語る上で欠かせないのが、既存の日本の経営者像から大きく逸脱したそのスタイルだ。かつて社内英語公用語化を断行した際、世間は「日本企業としての精神を失う」と猛反発した。しかし現在、二子玉川のオフィスには世界50カ国以上から優秀なエンジニアが集い、グローバルな開発体制が24時間体制で稼働している。
また、ヴィンテージワインの熱狂的なコレクターであり、ヴィッセル神戸の改革や欧州サッカークラブへの支援など、スポーツと文化への投資にも妥協がない。一見すると脈絡のないように思える多面的な活動も、彼の頭の中ではすべて「ブランド価値の極大化」と「グローバルネットワークの拡張」という単一のコンテキストで繋がっている。理詰めの緻密なロジックと、野心的な直感の共存。これこそが、数々の修羅場を潜り抜けてきた男の真骨頂と言える。