ネット上の情報やSNSでは、ホルモンに関して一部誤った認識が散見されます。食肉流通の現場や調理科学の観点から、代表的な2つの誤解を正しておきましょう。
誤解1:「ギアラの脂はただの皮下脂肪である」という誤り
ギアラの濃厚な脂を単なる脂身の塊だと誤解する人がいますが、これは正確ではありません。ギアラの脂は、筋肉組織と消化腺の間に蓄えられた特有の間質脂肪であり、加熱しても赤身肉の脂のようにダレにくく、しっかりとしたコラーゲン組織と一体化しています。そのため、適度に脂を落としながら焼くことで、くどさのない芳醇な甘みへと昇華します。
誤解2:「センマイの黒い皮は汚れである」という誤り
センマイの表面にある黒〜灰色の粘膜層を「汚れが残っている」と誤解されるケースがありますが、これはメラニン色素を含む粘膜上皮そのものです。食肉処理施設で完全に洗浄・殺菌された安全な状態です。なお、熱湯処理によってこの表皮を丁寧に剥離させたものが「白センマイ」であり、見た目の美しさとより滑らかな舌触りを楽しめる高級仕立てとなっています。