近年、世界的にも「トゥルー・クライム(実際に起きた犯罪を題材とするドキュメンタリーやドラマ)」のジャンルが急速に拡大している。日本においても、NetflixやAmazon Prime Videoといった世界的動画配信プラットフォームの普及に伴い、過去の凄惨な事件を社会学的・心理学的なアプローチから再検証する作品が定着してきた。
山口連続殺人放火事件も例外ではない。ネット掲示板やSNSで語り継がれるショッキングなキーワード「つけび」をきっかけに事件を知った若年層の視聴者が、配信プラットフォーム上のドキュメンタリーや解説コンテンツを通じて事件の背景にある社会問題に関心を寄せる現象が起きている。単なる好奇心や猟奇趣味にとどまらず、孤立する高齢者、地方の過疎化、メンタルヘルスの問題を多角的かつ構造的に考察する媒体として、動画配信サービスの果たす役割は2026年の現在、ますます増大している。