長年アジアの裏街を歩き続けてきた旅行作家の下川裕治氏は、両国の関係性を「洗練のタイ」と「発展途上の生々しさを残すベトナム」という対比で鋭く描写する。数多くの著作でアジア旅行の醍醐味を伝えてきた同氏の観察によれば、タイが観光先進国としてシステム化を極める一方で、ベトナムにはまだ旅人が自らの足で開拓するような面白さが濃く残っているという。
旅の手応えや、「異国に放り出された感覚」を味わいたい人々にとって、ベトナムの街角が放つ独特の熱気は今なお圧倒的だ。利便性を取るか、予測不能な面白さを取るか。旅人の志向が二分されるポイントがここにある。