「順位がつかず表彰もされないなら、出場する意味が薄いのではないか」と感じる人もいるかもしれません。しかし、現場の選手や指導者への取材から見えてくるのは、オープン参加が持つ極めて戦略的な活用価値です。
第1のメリットは、「公認記録による上位大会の標準記録突破」です。インターハイやインカレ、日本選手権などの主要大会には、エントリーするための参加標準記録が設定されています。所属校の選抜枠に入れなかった選手であっても、地方記録会や他大学の競技会にオープン参加して好タイムを出せば、その公認記録を使って全国大会への切符を掴むことができます。
第2のメリットは、「強豪選手が集まるハイペースなレース環境の獲得」です。単独走の練習では追い込めないスピード領域を、トップ選手が揃うレースのオープン枠に身を置くことで体感し、実戦形式で自己ベストを狙うことができます。
第3のメリットは、「怪我明けや調整段階におけるテスト走行」です。勝敗のプレッシャーがかからない立場でレースに出場し、レース勘の回復や新フォームの検証、ペース配分の確認などを行う調整の場として活用されます。
第4のメリットは、「チームの育成とモチベーション維持」です。部員数が多い強豪校では、対校選手以外の部員に実戦の機会を与える場となり、部員不足に悩むチームにとっては他校との合同チームで大会の雰囲気を肌で感じる貴重な教育機会となります。