都市伝説の多くがデマである一方、ファンの間で「都市伝説だと思われていたが実は公式設定だった」という驚くべきケースも存在します。その代表例が、タラちゃんの妹である「フグ田ヒトデ」の存在です。
「サザエさんにはタラちゃんの妹がいる」という噂を聞いて怪談の一種と受け止める人も少なくありません。しかし、ヒトデちゃんは1954年に文藝春秋から発行された『漫画読本』創刊号に掲載された、長谷川町子本人の描き下ろし作品「サザエさん一家の未来予想図(サザエさん十年代の予言)」に実在します。
この短編では、本編から10年後の磯野家・フグ田家が描かれており、高校生になったカツオ、中学生のワカメ、小学高校学年になったタラオとともに、セーラー服を着たタラちゃんの妹「フグ田ヒトデ(当時高校生、容姿はサザエの幼少期に酷似)」がはっきりと描かれています。アニメ本編でも2019年に放送された50周年記念特番の実写ドラマやアニメスペシャルで登場を果たしており、れっきとした原作者公認のオフィシャルキャラクターです。
では、原作者・長谷川町子が描いた『サザエさん』本来の最終回はどのようなものだったのでしょうか。
新聞連載漫画としての『サザエさん』は、1946年に福岡の『夕刊フクニチ』で始まり、舞台を東京へ移して『夕刊朝日新聞』、そして『朝日新聞』朝刊へと移籍しました。最終回となったのは1974年2月21日の朝日新聞紙上です。その内容は、サザエさんが「少しお休みをいただきます」と読者に挨拶する形の一コマが掲載された後、長谷川町子の健康問題や多忙を理由に休載に入り、そのまま再開されることなく連載終了を迎えました。つまり、劇的な破滅もハッピーエンドもなく、「日常の途中で静かに筆が置かれた」というのが原作漫画の真の結末です。
また、ネット上には「波平が亡くなり、遺産相続をめぐってサザエ、カツオ、ワカメ、そしてノリスケが骨肉の争いを繰り広げる」という悪質な遺産相続デマも出回っていますが、これも後年にネットユーザーによって創作されたパロディが独り歩きしたものに過ぎません。