ふじみ野市は2005年、旧上福岡市と旧大井町が合併して誕生した。市役所は旧上福岡側に置かれたが、鉄道の中心は東武東上線のふじみ野駅だ。旧大井町の中心だった大井町駅周辺と、旧上福岡の中心だった上福岡駅周辺という、性格の異なる3つの駅前エリアを持つことが、この街の分かりにくさでもあり、奥行きでもある。
2026年現在、最も動きが激しいのはふじみ野駅西口だ。長年手つかずだった駅前の低未利用地を対象とした再開発事業が都市計画決定段階に入り、駅前広場の拡張と中層の複合ビル建設が検討されている。市の公式発表資料によると、事業のコンセプトは「子育て世帯と高齢者が交差する、歩行者中心の駅前空間」。2026年度中の着工を目指しており、完成は2029年頃を見込む。駅前の「寂しい」という声が、数年後には過去のものになる可能性が高い。
一方、イオンタウンふじみ野は2026年に大規模なテナント刷新を実施。食品スーパーに加え、子育て支援施設やフードコートの増床が行われた。週末の駐車場は午前中から満車に近い状態で、市内外からの流入客を集めている。地元の不動産関係者によると、「イオンタウンへのアクセスの良さを理由に、ふじみ野市を選ぶ若いファミリーが確実に増えている」という。
では、こうした表面的な変化だけでなく、数字として何が起きているのか。次章では人口動態と治安、住環境の実データを比較しながら見ていく。