近年の夏は酷暑が長期化し、冬は突発的な豪雪に見舞われる。そんな極端な気候変動が当たり前になった2026年、衣類に求められる基準は劇的に変わった。店頭で特に目を引くのは、スーツに見えるのに完全防水で、しかも遮熱機能を備えたセットアップだ。オフィスでも浮かないデザインでありながら、突然のゲリラ豪雨にも耐えうるタフさを併せ持つ。かつて「安かろう悪かろう」と揶揄された時代はとうに過ぎ去り、今や機能性とスマートさの高度な融合がここにある。
「これ一枚で外回りも、急な雨の自転車移動もこなせる」と話すのは、近隣に住むIT企業勤務の男性(34)だ。彼のクローゼットの半分以上は、すでにこの店で買い揃えたものだという。実用性を極限まで突き詰めた結果、ファッションの境界線が崩壊しつつある。