現場の採用担当者や管理職への取材、およびSNS・コミュニティフォーラムにおける言及傾向を分析すると、四字熟語に対する受け止め方には明確な世代間・階層間のリアルが存在します。
都内大手IT企業の人事担当者は次のように証言します。
「エントリーシートの自己PRで『一期一会』や『猪突猛進』とだけ書かれていても、テンプレート通りで印象には残りません。一方で、『私の強みは磨穿鉄鞋の精神でデータを泥臭く検証し続けたことです』のように、少しマイナーでも自分の行動特性と故事のニュアンスが完璧に一致している応募者は、言語化能力と知性の両面で群を抜いて高く評価されます」
また、知恵袋やSNSなどのコミュニティでは「座右の銘を聞かれたときに中二病っぽく見えず、それでいて知的でかっこいい言葉は何か」という相談が年間を通じて絶えません。ネット上で安易に紹介される難読熟語をそのまま丸暗記するのではなく、「自分の言葉として語れるストーリーがあるか」が生の現場で最もシビアに見られている境界線です。