日本人の間で「オス三毛猫=奇跡の幸運をもたらす高額な猫」というイメージが定着した背景には、メディアの影響が大きい。決定打となったのは、赤川次郎の超大ヒットミステリー小説『三毛猫ホームズの推理』シリーズだ。作中で描かれた希少性と知性あふれるキャラクター像は、昭和から平成にかけて日本中に「幻の猫」への強い憧れを植え付けた。
そして時代が下った現在、その熱狂の舞台はYouTubeやSNSといったデジタル空間へと引き継がれている。「3万分の1の確率で生まれた奇跡の愛猫」として投稿された動画は世界中で数百万回再生を記録。メディア露出や広告収入を通じて新たな経済的価値を生み出す現代的な現象が起きている。大衆文化とネット空間が相互に煽り立てることで、高価な幻の猫という物語は今なお色褪せない。