ウォンバットは本来、単独行動を好むマイペースで警戒心の強い動物です。しかし、幼少期から愛情を持って育てられた個体や動物園生まれの個体は、飼育員にトコトコと後ろをついて回ったり、お腹を撫でられるとコロンと横になって甘えたりする非常に人懐っこい一面を見せます。
「動物園で抱っこしてみたい」という声を多く耳にしますが、現在日本国内の動物園で一般来園者がウォンバットを直接抱っこできる体験プログラムは実施されていません。
その理由は以下の通りです。
成獣の体重は重く、骨格や筋肉が非常に強靭であるため、驚いた際に強い力で突進したり鋭い爪で引っ掻いたりする危険性があります。また、何よりも貴重な個体の健康管理とストレス軽減を最優先とする動物福祉の観点から、接触を制限した上での観察展示が徹底されています。
なお、生まれたばかりのウォンバットの赤ちゃんはわずか体長約2cm、体重1〜2g程度しかありません。毛も生えていない未熟な状態で自力で育児嚢へと這い上がり、約半年から9カ月ほど母親の袋の中で大切に育てられます。袋から顔を出し始めた時期の赤ちゃんの姿は筆舌に尽くしがたい愛らしさがあり、写真や映像が公開されるたびに世界中で大きな反響を呼びます。