私たちが夜空に見上げる光の帯は、約1000億個もの恒星が集う天の川銀河の内部から見た断面に他ならない。現代の天文学は、この巨大な構造の全貌を驚異的な精度で解き明かしつつある。
国立天文台が主導してきたVERAプロジェクトは、電波望遠鏡を組み合わせた電波干渉法によって、銀河系内の天体までの距離と運動を精密に測定し、銀河中心までの正確な距離や回転速度の解明に大きく貢献した。さらに欧州のガイア計画による膨大な3次元アストロメトリデータは、数十億個規模の恒星の位置と固有運動をマッピングし、かつてない解像度で銀河の歪みや合体の歴史を明らかにしている。
国立天文台の上席教授を務める渡部潤一氏は、星空を見上げる文化の普及とともに、最先端の観測成果が私たち自身の宇宙観を更新し続けている重要性を説く。見上げる天の川の一粒一粒が、壮大な銀河進化のドラマを物語っているのだ。