フラットウッズモンスターの知名度を決定づけたのは、事件直後に描かれた新聞の再現イラストでした。
1952年9月中旬、事件をスクープした地元紙記者やイラストレーターが、メイ夫人らの曖昧な証言をもとにスケッチを作成。その際、女性の証言した「ひだのある長いスカートのような下半身」と「尖った頭巾のようなフード」が強調され、洗練された不気味なシルエットが完成しました。
当時のアメリカは冷戦の緊張感が高まる中、映画『地球の静止する日』(1951年)をはじめとするSFブームの真っただ中にありました。メディアはこの怪異を「ソ連の秘密兵器」あるいは「火星からの侵略者」としてセンセーショナルに書き立て、ビジュアルのインパクトとともに全米へ拡散したのです。
日本においても、1970年代のオカルト・UFOブーム時に少年向け怪奇百科や特撮番組の怪獣デザインへ多大な影響を与え、「3メートルの宇宙人」というキャッチコピーとともに昭和の子供たちへ強烈なトラウマと好奇心を植え付けました。