こうした「テクノロジーを介して伝播する恐怖」をスクリーン上で決定づけたのが、2003年に公開された歴史的ホラー映画『着信アリ』である。本作で監督を務めた三池崇史は、バイオレンスやサスペンスで培った圧倒的な映像美学をホラーというジャンルに注ぎ込み、観客の日常空間を一変させた。
自分の携帯電話から「未来の自分の死に際した叫び声」と「死の予告時刻」が着信音として届くという斬新なプロットは、当時のサイバーホラーという領域において画期的な挑戦であった。三池崇史監督は、無機質な電子音や着信画面そのものを恐怖のメディアへと変貌させ、視聴者が上映後に自分の携帯電話を見る挙動すらも恐怖体験の一部へと変えてしまったのだ。
メールや着信という身近な通信手段が死の連鎖を引き起こすという発想は、まさに都市伝説の核にある心理的威圧感を完璧に映像へと昇華させた例と言える。