櫻井翔のソロワークを語るうえで欠かせないのが、対照的な魅力を持つ2大巨頭『T.A.B.O.O』と『Hip Pop Boogie』です。この2曲には、彼が築き上げたサクラップの真髄が凝縮されています。
2010年発表の『T.A.B.O.O』は、禁断の愛や官能的な世界観をテーマにした攻めのダンスチューンです。タイトルの通り「タブー」を犯すスリルを描きつつ、緻密な押韻と過激なダブルミーニングが散りばめられています。ライブでは警官風の衣装とキャップを纏い、息を呑むようなシャウトとセクシーなパフォーマンスを披露。アイドルの枠組みを自ら破壊し再構築するような圧倒的熱量で会場を支配しました。
一方、2008年の『Hip Pop Boogie』は、彼自身のアイデンティティそのものを綴った自叙伝的アンセムです。まだ「アイドルがラップを歌うこと」に対する偏見が強かった時代から、自ら道を切り拓いてきた矜持が込められています。「道なき道を歩いてく」「山風」といったフレーズは、ファンや嵐のメンバーとともにトップへ駆け上がる誓いでもありました。のちに『Hip Pop Boogie Chapter II』へと歌詞が更新され、時を経てさらに深みを増した点もドラマを生んでいます。