稲美町ランチにおける最大のハイライトは、半世紀以上にわたって地域住民の舌を肥えさせてきた麺文化と、豊かな自然の恵みを取り入れたこだわりの和洋食である。実名グルメサイトや大手予約ポータルの統計でも常に上位へ名を連ねる名店群には、単なる流行にとどまらない明確な実力と選ばれる理由が存在する。
筆頭に挙がるのが、町の代名詞とも言えるいなみうどんだ。同一敷地内に「うどん料理 いなみ」と「そば料理 いなみ」が並び立ち、連日多くのファンで賑わう名所となっている。看板メニューの「ころうどん」は、引き締まった強いコシを持つ極太うどんに、削り節の豊かな香りと甘辛く煮詰めた秘伝の漆黒ダシ、生卵、海苔、本わさびが絶妙に絡み合う逸品だ。カラリと揚げられた巨大な海老天が鎮座する「上天ころ」は、一口啜れば創業当時から受け継がれる出汁の層の厚さに圧倒される。隣接する「そば料理 いなみ」でも、手打ちの風味際立つ本格そばに同様の濃厚ダシを合わせた「天ころそば」が提供され、うどん派とそば派の双方を歓喜させている。
一方で、落ち着いた空間で旬の味覚を堪能したい層から支持を集めているのが、日本庭園を眺めながら食事ができる和食処や日本料理店である。地元産の採れたて野菜やお米をふんだんに使い、丁寧に引いた一番ダシで仕上げる釜飯や松花堂弁当は、三世代ファミリーの会食やビジネスランチにも重宝される。座敷や掘りごたつ個室を完備した店舗が多く、小さな子供連れでも周囲に気兼ねなく豊かな食事の時間を過ごせる点が、都市部の手狭な飲食店にはない大きな優位性となっている。
田園にひっそりと佇む隠れ家カフェの台頭も見逃せない。古民家をモダンに再生した店舗や、開放的なテラス席から稲美町特有のため池を望むロケーションカフェでは、自家製ハンバーグや地場野菜のせいろ蒸しランチ、自家焙煎スペシャルティコーヒーや手作りスイーツが提供されている。ただ食事を摂るだけでなく「日常を離れて scenic な時間と空気を味わう」体験そのものが、遠方からのリピーターを惹きつけてやまない。