カルチャーとしての神格化が進む一方、現実の犠牲者は増え続けた。稀代のスターであるリル・ウェインは、長年にわたる過剰摂取が原因とみられる発作で何度も救急搬送され、臨死体験を味わったことを公表している。
さらに痛ましいのは、若き天才として音楽産業の未来を嘱望されていたジュース・ワールドの死だ。2019年、空港での警察のガサ入れ時に大量の錠剤とシロップを服用し、過剰摂取による痙攣発作を起こして21歳の若さで命を落とした。彼の悲劇は、輝かしい成功の裏に潜む薬物依存の恐ろしさを世界中に見せつけることとなった。