「崩壊はいつ起きてもおかしくない」という噂は、決して観光客を呼ぶための誇張ではありません。現地で長年観測を続ける写真家や関係者の記録によると、橋脚やアーチ天端(てんば)のコンクリート剥落は深刻化の一途をたどっています。
タウシュベツ川橋梁は、旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群の一つとして建設された産業遺産です。1955年の糠平ダム建設に伴い鉄道橋としての役目を終え、半世紀以上にわたって「水没と出現」を繰り返してきました。十勝の冬は気温が氷点下20度以下まで急降下し、コンクリートの隙間に浸入した水分が凍結膨張を繰り返す「凍結融解作用」が躯体を内側から破壊し続けています。
2026年現在、外壁のコンクリートが剥がれ落ちて内部の砂利や鉄筋が剥き出しになっている箇所が複数確認されています。有識者や土木工学の専門家による調査でも、連続アーチのバランスが1箇所でも崩れれば連鎖的に全体が崩落する危険性が指摘されており、私たちが現在目にしている景観は「奇跡的な均衡」の上に成り立っています。