森高千里がミニスカートを履き続ける最大の理由について、本人は音楽誌やテレビの特番インタビューで極めて明快な答えを残しています。それは「ステージで歌う森高千里を観に来てくれるファンへの誠意」であり、「非日常を届けるためのユニフォーム」という確固たる意識です。
1992年に発表された大ヒット曲『私がオバさんになっても』で、彼女は「とても心配だわ あなたが若い子が好きだから」「女盛りは19才」「ミニスカートはお腹が出るからダメ」と、女性のエイジングに伴う不安と世間の身勝手な視線をユーモラスかつアイロニカルに歌い上げました。当時はアイドルや女性アーティストが30歳を迎える前に「一線を退く」ことが暗黙の了解とされていた時代です。しかし、50代後半を迎えた現在の彼女は、まさにその歌詞と対峙するように堂々とミニ丈の衣装で同曲を歌いこなします。
「普段の生活でミニスカートを履くことは一切ありません。私にとってあの衣装は、ステージに上がるためのスイッチなんです」と過去のライブMCで語っている通り、彼女にとってのミニスカートは単なる自己顕示や若さの誇示ではありません。日常の主婦・母としての自分と、ステージ上のエンターテイナーとしての自分を明確に切り離すための「境界線(バウンダリー)」であり、観客の期待に完璧に応えるためのプロフェッショナリズムの象徴なのです。