Q1:紙や木は燃やすと灰が残りますが、それでも有機物なのですか?
A1:紙や木は間違いなく有機物です。主成分であるセルロースやリグニンは炭素骨格を持つ高分子化合物であり、燃焼すると大部分が二酸化炭素と水になって大気中に逃げます。最後に残る灰は、植物が生育の過程で根から吸い上げたカルシウム、カリウム、マグネシウムなどの「無機塩類(ミネラル)」です。有機物の内部に含まれていた微量の無機成分だけが燃え残ったものが灰の正体です。
Q2:エタノール(消毒用アルコール)は焦げないのに、なぜ有機物なのですか?
A2:エタノール(C₂H₅OH)は完全燃焼しやすいためです。炭素数が少なく分子構造が小さいため、十分に酸素が存在する環境では、炭化(焦げ)の段階を経ることなく一気に二酸化炭素と水へと分解されます。火を近づけると青白い炎を上げて蒸発するように燃え尽きますが、集気びんで捕集すれば二酸化炭素と水が確実に検出されるため、純然たる有機物です。
Q3:プラスチックと金属の複合素材など、現代の先端素材はどう見分ければよいですか?
A3:先端素材であっても基本ルールは同一です。炭素骨格をベースとする樹脂部分は有機物、補強のために混ぜられているガラス繊維(二酸化ケイ素)や金属フィラーは無機物として個別に分類されます。科学においては、混合物全体を1つの言葉で雑に括るのではなく、それを構成する成分ごとに有機・無機の境界を引くアプローチが基本となります。