親族間における悲痛な揉め事の多くは、資産や不動産の取り扱いを巡って勃発する。「うちの家族は仲が良いから」「残すほどの財産がないから」という思い込みこそが、最も危険な落とし穴だ。残された者が迷わずに済むよう、預貯金、有価証券、不動産などの一覧化を進め、法的効力を持った遺言書を作成することが、未然の紛争防止における鉄則となる。
特に近年、急速に普及が進んでいるのが法務局が手掛ける「自筆証書遺言書保管制度」の活用だ。従来の手書き遺言書に付きまとっていた「自宅での紛失・隠匿」や「改ざん」のリスクを完全にシャットアウトできる上、遺言者が亡くなった際にはあらかじめ指定した相続人へ通知が届く。さらに家庭裁判所での面倒な検認手続きが不要となるため、遺族にかかる時間的・金銭的負担を劇的に減らすことができる制度として、非常に高い評価を得ている。