向井理の若い頃を語るうえで外せないのが、芸能界入りする前の徹底した専門性と実務経験です。彼が在籍していたのは、難関として知られる明治大学農学部生命科学科。当時は朝から晩まで白衣を着て実験室にこもり、遺伝子工学やレトロウイルスに関する最先端の研究に没頭していました。2004年には「第29回国際動物遺伝学会議」において、共同研究者の一員としてベストポスタープレゼンテーション賞を受賞した実績を持つなど、学術分野でも確固たる足跡を残しています。
学費や生活費を稼ぐために始めたアルバイトが、東京・渋谷などのカフェバーでの勤務でした。持ち前の手先の器用さと探究心が発揮され、瞬く間に腕を上げた彼は、大学卒業後にそのまま飲食業界へ就職。弱冠20代前半にしてバーテンダー兼店長を任されるまでに至ります。カクテルのレパートリーは500種以上におよび、客の嗜好や体調に合わせた一杯を即座に提供するプロフェッショナルとして、現場を取り仕切っていました。
当時、店を訪れていた常連客や関係者の間では、「渋谷にとんでもない美男子バーテンダーがいる」と噂が広まっていました。後にカルチャー誌『Tokyo graffiti』の美男美女スナップ企画に一般人として掲載された昔の写真が、まさにその伝説を物語っています。洗練された顎のラインと涼しげな目元、カウンター越しに見せる凛とした立ち居振る舞いは、当時から群を抜いたオーラを放っていました。