氷そのものの質に極限までこだわる名店で多く扱われているのが、名高い「日光天然氷 蔵元八義」の純氷だ。八ヶ岳や日光の厳しい冬の寒さの中、自然の力だけでじっくりと時間をかけて結氷させた天然氷は、気泡や不純物をほとんど含まない極めて硬質な結晶へと育つ。
この氷を冷凍庫から出してすぐ削ることはしない。氷の表面温度を0度近くまで戻す「温度戻し」と呼ばれる職人の下準備を経て、初めてシルクのような薄氷が削り出される。口に運んだ瞬間に体温でスッと澄んだ水へと還るため、頭がキーンとする特有の痛みが起こらない。天然氷ならではの優しい冷涼感と澄み切った後味が、贅沢なソースの風味をどこまでもピュアに引き立てる。