いま、路面は大きな変革の時代を迎えている。従来の物理的な凹凸に電子の力を融合させる試みとして注目を浴びているのが、スマート点字ブロック推進プロジェクトだ。ブロックの内部や裏面に小型のRFIDタグやBluetoothビーコンを埋め込み、スマートフォンや専用ウェアラブル端末と連動させる技術が急速に実用化されている。
視覚障害者がその上を通過すると、骨伝導イヤホンから「右手に改札、正面にエレベーターがあります」「間もなく階段です」といった空間情報がタイムラグなく音声で届く。突起の触覚だけでは伝えきれなかった複雑な分岐路や施設情報を、デジタルの網の目が補完する仕組みだ。
この潮流は、福祉機器・モビリティ産業と都市インフラ・交通計画産業が手を取り合う一大転換点となった。自律走行する小型モビリティや配送ロボットにとっても、路面のスマートブロックは自己位置をミリ単位で特定するための強固な地上基準点(ランドマーク)になり得る。弱者のための設備が、未来のスマートシティ全体を駆動する神経系へと進化を遂げつつある。