そもそも「風遁・螺旋手裏剣」とはどのような修業の経緯を経て開発され、どれほどの威力を誇っていたのでしょうか。その特異な成立過程を振り返る必要があります。
ナルトが挑んだのは、チャクラの「形態変化」を極限まで高めた螺旋丸に、ナルト自身のチャクラ属性である「風の性質変化」を融合させるという、忍の歴史でも類を見ない超難度の試みでした。開発者である波風ミナトすら寿命の中で完成させられず、天才・はたけカカシも挫折したこの壁を、ナルトは「多重影分身による経験値の並列蓄積」という唯一無二の力業で乗り越えます。通常の忍が何十年も要する修業期間を数日に圧縮し、右手に通常チャクラの形態変化、左手に風遁の性質変化を担当させる影分身2体を動員することで、ついに螺旋丸の周りに超高密度・高回転の風の刃を形成することに成功しました。
その実戦投入となったのが、コミックス37巻から38巻、アニメ『NARUTO -ナルト- 疾風伝』第308話「風遁・螺旋手裏剣!」で描かれた暁の角都戦です。不死の肉体を持ち、初代火影・千手柱間と戦った経験を持つ伝説級の忍・角都に対し、ナルトは影分身を用いた綿密なブラフと時間差攻撃を展開。見事に背後を取り、ゼロ距離で風遁・螺旋手裏剣を直撃させました。
発動時の耳をつんざくような超高周波の金属音とともに巨大なチャクラの暴風ドームが発生し、角都が体内に宿していた複数の心臓のうち、雷遁と風遁の心臓を含む2基を一撃で完全に消滅させました。生き残った本体の心臓すらも細胞レベルで破壊され、立ち上がることすら不可能な状態に追い込まれた光景は、螺旋手裏剣が文字通り「相手の生命維持構造を根底から解体する術」であることを証明しました。